全てがキミだった


ベンチに座り、子供たちに混ざって野球をしている公平を眺める。


バットを構える公平と、小さな体を大きく動かしてボールを投げる子供たちと。


交互に見ながら、あまり詳しく説明をされていないわたしは、どんどん眉間にシワが寄っていく。


うまく理解出来ずに、胸の中のもやもやが大きくなる。


周りから見たら、今のわたしは果てしなくぶさいくな顔をしているに違いない。



カキーン、と、バットに当たる心地いい音が聞こえる度に、わたしは公平に目を向けた。




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