全てがキミだった


ふと、


なにやら黒い点らしきものが、わたしの目に映った。


「なに?
 この点」


わたしが首を傾げると、公平は鼻のてっぺんをポリポリかきながら、目線を子供達に移した。


「実はさ、俺がこうやって野球を始めたのは、ミサキに無理矢理連れて来られたのが始まりなんだ」



―――――…



一瞬、ボールを落としそうになった。


まさか、こんなところに来てまで『ミサキ』の名前が出てくるなんて……


わたしは、どんな表情を作ればいい?




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