全てがキミだった
「俺さ、ガキの頃かなりの人見知りだったんだ。
友達と遊ぶのも苦手で、家でゲームばっかやってて。そんな俺を見兼ねたのか、ある日突然ミサキに家から連れ出されてさ、何をするのかと思えば、こうやってみんなで野球をやれって言うんだ」
あぁ――…
わたしをわざわざここに呼び出したのは、わたしにその話しを聞かせる為?
『俺の好きなやつは、ミサキだけ』だって?
そんな事、改めて言われなくたって痛いくらいわかってる。
わたしにも見せてよ……
その優しい微笑み。
ミサキばっかり、ずるすぎる。