全てがキミだった


公平は、押しつけられたボールを両手ですくうように支えた。


また、哀しそうに眉間にシワを寄せる。


どうしてそんな顔をするの?



今その顔をしていいのは、わたしの方でしょ?


いつもいつも公平はそうやって卑怯なんだ。


まるでわたしが悪い事をしているかのような表情をする。


惨いことをしているのは、どっちのほうよ。




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