全てがキミだった
「あ、おいっ、池内っ!!」
わたしは涙を堪えることが出来なくなり、公園から走り出た。
背中にかかる公平の声を振り払うようにして。
走って走って走って――。
涙がとめどなく溢れて。
息が切れる事もお構いなしに走った。
肺が悲鳴を上げても、わたしは一切苦しさを感じなかった。
わたしの細胞は、公平が近くにいなければまったく機能しないんだ。
だけど、この胸だけは、どうしようもない程に痛かった。