全てがキミだった
第5章
ピンポーン。
玄関で響いたチャイム。
リビングのソファーでくつろいでいたわたしは、のっそりと玄関に向かった。
「はーい」
「お届け物でーす」
玄関を開けると、配達のおじさんが小さな袋を持っている。
「池内純子様に、お届け物です」
「あ、どーもありがとうございます」
汗が額から流れているおじさんから荷物を受け取り、誰から届いたのか見てみた。
『割れ物注意!!』と真っ赤な字で大きく書かれてあり、差出人のところには、『池内綾』の名前があった。
「こちらに、受け取りのサインをお願いします」
わたしはおじさんからペンを受け取り、サインをしてから玄関のドアを閉めた。
綾からお母さんに贈り物……
何だろうか――…