全てがキミだった


リビングを逃げるようにして出て、梓の部屋へと向かう。


何故か足音を立てないように、慎重に階段を上った。


リビングから聞こえるお母さんの鼻歌。


出来るだけ、聞きたくなかった。



階段を静かに上り切ると、


『必ずノックしてね!!』


梓の部屋のドアに、リラクマのホワイトボードが下がっていた。


小学生らしい発想だと思う。



「あずぴー、入るからね」




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