全てがキミだった
梓の机の側まで行き、その“何か”を覗いてみた。
何やら、A4の用紙に一生懸命書いている。
赤や青、緑などのマジックを使って、器用に色まで付けていた。
綾といい、梓といい、どうしてわたしの妹ときたらこんなにも真面目でしっかりしているのだろう。
きっと、こんな大人にはなりたくないと思っているからなのか……
ほんっとに、二人には感心するよ。
「それ、お母さんにあげるの?」
「当たり前じゃん」
「てかさ、それ全部作れるやつなの?」
「うん、家庭科で習った」
「ふーん」
梓は、文字を書きながらわたしの質問に全て答えていった。
相変わらずぶっきらぼうだけど……
梓が一生懸命書いていたのは、メニュー表だった。