全てがキミだった
「呆れた」
もう、どっちが長女でどっちが次女なのかわからない。
「いい加減けり付けなよ。そんなんだから、仕事する気にもなれないんでしょ?」
「ちがっ……」
反論しようと思ったが、あながち間違っていない事にわたしは喉まで出かけた言葉をのみ込んだ。
「今更見込あると思ってるの?」
「それは思わない」
「なら、潔く諦めるしかないじゃん。
公平は、その女が好きで好きで旅立ったわけでしょ?」
「そうだけど……」
そんなことはわかっている。
六年間ずっと悩み続けてきたことなのだから。