全てがキミだった
第2章
わたしは綾に起こされ目をこすった。
すでに全開に開けられたカーテンから直射日光が当たる。
ギラギラする目を細めながら綾を見ると、すでによそ行きの格好をして腰に手を当てていた。
「おはよ」
上半身を起こして伸びをする。
「何時?」
「もう十二時。
いつまで寝てんの?早く準備して」
「なんで?」
「いいから。どれ着るの?」
これ?それともこれ?と、わたしの箪笥の中からありとあらゆる洋服を引っ張り出していた。
綾に引っ張り連れていかれたのは、わたしが通っていた高校だった。