全てがキミだった
キラキラ輝いていた、六年前の夏のプール。
ラピュタに出てきそうな大きな入道雲が浮かび、あの中にラピュタが本当に存在したりして、なんて、面白い事を思った。
プールの脇に植えてある向日葵が、ラピュタを覆う入道雲からひょこりと顔を出す太陽を見上げる。
そのキラキラに輝く太陽に照らせれたプールに、制服姿のわたしと公平。
二人とも手にはブラシを持っていて、プールサイドをだるそうに歩く。
同じだと思った。
太陽の色と、公平の髪の色。
オレンジというか、赤というか、黄色というか。
眩しく光る具合が、同じだと思った。
だからわたしには、とても輝いて見えていたんだ。
公平は、プールサイドに腰掛けるわたしの元まで歩きながら、口を尖らせてこう言う。
『やっぱり、おまえのせいだ』
そう言っておきながら、顔は今にもニヤけそうだ。
公平がそれを必死で堪えようとしている時には、いつも下あごの辺りがピクピクと動く。