全てがキミだった


そんなお母さんには、誰も頭が上がらない。


それは、大黒柱のお父さんでさえ。
 


池内家の権限は全て、母純子にある。
 

今年47歳になるお母さんは、見た目は若いといっても体力は前よりは落ちているような気がする。
 

23にもなって楽なバイトしかしていないわたしが家事を手伝えばいいのだけど、わたしは家事の『か』の字も知らない。
 

わたしが気を利かせたところで、むしろお母さんの仕事が増えるだけなのは目に見えてわかる。


だから、お母さんはわたしに助けを求めないのだ。




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