全てがキミだった
「全然連絡も来ないし、どうしてんのかなって思ってたんだよ」
どうしよう――。
突然の事すぎて、言葉が出てこない。
もっと喜べよ。
逢いたくて逢いたくて、6年も想い続けた人が手の届く位置に現れたんだから。
「どうしてなんの連絡もくれなかったんだよ。
俺、何度もメールしただろ?
待ってたんだからな。
あっ、やばい。後ろ並んでんな。
何時まで?」
「――っえ?」
「バイト。
今日何時まで?」
「……5時、まで」
「わかった」
公平はそれだけ言うと、片手を上げてコンビニから出て行った。