全てがキミだった
第4章
その日の不安がかき消されたのは、翌日のメールの着信音。
まさかと思いながら携帯を開くと、そのまさかだった。
公平からメールが届いたのは、約1年ぶりだ。
何度公平からメールが来ても、わたしが一通も返していないから、いつしか公平からのメールは途絶えていた。
わたしの携帯の未送信ボックスには、行き場を失った何通ものメールが未だに残っている。
公平に送ることが出来ないのに、文章を打っては、送信の途中で止めていた。
自分でも、流石に情けないと思う。
だって、6年前のあの日から、わたしは一度もアドレスを変えていないのだから。
いつでも、公平からのメールが届くように。