全てがキミだった


「ごめん。急に呼び出して」


公園のベンチに腰かけていた公平は、わたしの姿を見つけるなり立ち上がった。


わたしは公平に歩み寄りながら、ううんと首を横に振る。


わたしはこの6年の間で、何度この公園の前を通っただろう。


前を通るだけで、公園の中には入ることが出来なかった。


公平との、切ない思い出の残る場所だから。


6年ぶりに、この公園のベンチに腰かけた。




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