感方恋薬-知られざる月の館-
「あん?」


あたしはその声の方向に向かって、スローモーションの様に振り替える。


そこには…


「あ、生徒会長…」


幾分カールのかかったロングヘアを上品になびかせて、高校生らしからぬ近寄りがたい威厳を纏って彼女は現れた。


「どうしたの?この子と何か有ったの?」


にこやかな表情とは裏腹に生徒会長は、あたしをきつい視線で射抜く様に睨みつける。


あたしの小鳥の様な心臓は一瞬鼓動を停めたかと思う位の迫力だった。
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