感方恋薬-知られざる月の館-
あたしは、窓の外を眺めると爺の意図が何となく分かった様な気がして、ちょっと苦笑い。


爺にちょっと感謝した。

         ★

「さあ、貴子さん。今日も元気に実験に勤しみましょう」


「ことわる」


この前の実験が、かなり上手く行ったものだから、幸のあたしに対する実験のお誘いは、段々とエスカレートしている。


幸の最終目標は、例の幽霊探知機を使って、ホントに幽霊を捕まえる処に有るらしい。


まぁ、若様や爺が、そう簡単に捕まるとは思えないけどね。


しかし用心するに越したことは無い。


あたしは、何とかして幸から逃げおおせようとあれこれ画策するのだが。


結局、幸・紀美代ペアの巧みな誘導にハマって、教室にぽつねんと、とりのこされたりして居る訳だ。


わはははは…はぁ
< 108 / 219 >

この作品をシェア

pagetop