感方恋薬-知られざる月の館-
3) 幸の実験室…そのいち
などど考えて居たら、いきなり幸が自分の席から立ち上がり、あたしの方向にくるりと振り向くと、やっぱり飼い主を見つけた犬っころの様に、ぱたぱたとしっぽを振らんが如き勢いで、あたしに向かって近付いてくる。
「貴子さん!」
「お…おぅ」
幸の勢いに押されてあたしも満足な返事が出来なかった。
「今度こそ完璧です、完璧な幽霊補完電磁籠が完成しました」
あたしは幸の頭を思わずグーで殴っていた。
★
そんな訳で、その日一日だけは、幸はおとなしく暮らす事となった。
うん、めでたいめでたい。
「貴子さん!」
「お…おぅ」
幸の勢いに押されてあたしも満足な返事が出来なかった。
「今度こそ完璧です、完璧な幽霊補完電磁籠が完成しました」
あたしは幸の頭を思わずグーで殴っていた。
★
そんな訳で、その日一日だけは、幸はおとなしく暮らす事となった。
うん、めでたいめでたい。