感方恋薬-知られざる月の館-
そして、はたと、視線が合う。う、真顔が凛々しい。でもって、


と、とまった、し、死んだ、しんぞうがぁぁぁ…


と、同時に若様は、あたしの視線を受け止めて、ゆっくりと顔を近づけて来る。


そして、あたしの人生初めてのキス…


全身が、じんと痺れたこんなに素敵な物だったんだ、好きな人と交わすキスって…もう、どうにでもなれぇ…


意識が暗転して、再び元に戻る。


ベッドの上にあたしは、ぽかんと座って居た。唇には若様の余韻が残っている。


「はぇ…」
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