感方恋薬-知られざる月の館-
「良いお天気ですわね」


宗一郎様の背後から、彼女は、すいっと姿を現した。


我が校始まって以来の秀才で有りながらも、スポーツ万能で男勝りの実行力と手腕。


そして、これが一番問題なのだが、めちゃめちゃ綺麗なのである。


可愛いでは無い、綺麗なのだ。


そして、その綺麗な顔で睨まれるのは、一抹の不安感に襲われる。


生徒会長に黒い物を白と言われたら、何となく白と思えてしまう、そんな人物だ。


そして、その彼女は、宗一郎様の恋人らしい…


「あ、は、まぁ、そうですね」


ちなみに、曇天模様である…。


「そう言えば、あなた、科学部の方でしたわね?」


「はぇ?」
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