感方恋薬-知られざる月の館-
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さて、それでは改善案とやらを考えてみましょうかと視聴覚室の教壇の上に立ったあたしは黒板に『改善案』と一言書いてみる。


教卓を挟んで向かいに座った幸と紀美代はお行儀よく、あたしの仕草を見て居た。


「で、問題は、今後実施する実験の安全性における検証の方法と是正に関する整合性がね…」


あぁ、自分で言ってて何が言いたいのか良く分からん。幸、この辺は、阿吽の呼吸で分かってくれよ。


「貴子さん、言いたい事はわかりました。早い話が、危ない事はするなって言いたいんですよね?」


なんだ、幸、分かってんじゃ無い。だったら話が早いわよ。


「つまり、安全な幽霊捕獲方法を確立する事を急げと言う事ですね」
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