感方恋薬-知られざる月の館-
「ねぇ、幸」


「な、何ですか貴子さん」


「なんだか良く分からないけど。あたしも、科学部の部員に成ってあげる。一緒に科学部の復活に努力しましょ。ね?」


「…た、貴子さ~ん」


幸が人眼も憚らず、バスの中で号泣する。あたしは、よしよしと頭を撫でる。ほんと、何だか犬っころを宥めてる感じになって来たな。

         ★

『科学部復活計画(打倒生徒会)』


自分の部屋で机に向かいレポート用紙にそう書き込んでみた物のそこで言葉が詰まってしまった。


そうだよなぁ…どう考えても科学部が悪いもんなぁ。


あたしはボールペンくるりをしながら一人大きく溜息をついた。


「いかん…集中集中…」


あたしは雑念を振り払おうと右手人差し指を米神に当てながら、うーんとうなってみたりする。
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