感方恋薬-知られざる月の館-
あたしはちょっと考えてから、あぁ、そうかと思いついたものが有った。


そう、以前爺から貰った巻物。


あれはラブレターだって言う事を。


「成程、爺、偉い!」


そう言いながらあたしは爺に向かって握った右拳からぐいっと親指を突き出して見せた。


お~し、全てはおっけ~な状態だ。上がってきたぞ、テンションが!


「頑張るが良い」


爺はそう言うと、ふっとあたしの前から消えて無くなった。


それを見てあたしはいそいそと巻物を探し出し「四角」が書いてくれた訳文にざっと目を通した。


うん、使える、これならいける。


あたしは、爺の恋文を元に、ラブレター作戦を開始したのであった。

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