感方恋薬-知られざる月の館-
うむ、あの、宗一郎と言う男、意外とマメな奴なのかもしれない…あるいはただの女好き?しかし、今はどちらでも構わない、反応を伺うのが大事なのだ。


「では、参ります…」


幸と紀美代とあたしが視聴覚室で机を挟み顔を突き合わせながら、ラブレターの返事を開封した。


――お手紙ありがとうございます。本日放課後体育館裏でお待ちしております――


あたしは幸と紀美代を交互に見た。


「微妙…ですねぇ」


幸が顎を撫でながら文面とあたしの顔を交互に見ながら、ぽつりと呟いた。


あたしは「微妙…とは?」と幸に訪ねて見た。


「はい、そうなんです。これは、とても微妙な反応です。なんか文面の端々に生徒会の陰謀が見え隠れしてます。


「生徒会の陰謀?」


「はい、これは罠かも知れません」
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