感方恋薬-知られざる月の館-
「ほう…罠とは穏やかじゃないね」

あたしは何事か考え込んでしまった幸を見詰めながら「考え過ぎじゃぁないの?」と、軽く流して見たのだが、幸曰く…


「色々とリサーチしてみたんですが、あの宗一郎と言う男、あの、ルックスですから、女子には非常に人気が有ります。どうやら、普段でもラブレターの数が二桁の枚数に上ると聞きました。その彼が沢山のラブレターの山から何故貴子さんのだけを選んだか?う~ん陰謀の匂いがしますねぇ」


幸は自分の意見に自分で納得している様だ。


確かにごもっともな推測だ。


が、ちょっと腹が立つのは何故だろうか…あたしじゃ彼には不釣り合いって言いたいのか幸よ。
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