感方恋薬-知られざる月の館-
「はいはい、おっけーおしまいおしまい」


明日の数学の授業では、あたしは当たらない予定だから、宿題なんて、てきとーで良いやと思い、机の上をガサガサと片付けて明日必要な物を鞄に詰め込むと、パジャマに着替え、さて寝てしまおうかと思った、その時だった。


爺と同じ感覚に襲われた…


「なによ、こんな時間に、何の用?」


あたしはめんどくさそうに上体をベッドから起こすと、爺の気配が有る方向に向かって視線を移した。


そして、あたしは凍りつく…ぴきっ


そこに立って居たのは、鎧甲冑姿の若武者。
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