感方恋薬-知られざる月の館-
「要するに、てめーが全部悪いんかい!」


爺はあごの辺りを、ぽりぽりと掻きながら悪びれる事無く答えた。


「ふむ、若気の至りじゃ、人間若い時には無茶する物じゃ。それは今の世界でも変わらん若者の特権と言う物じゃて、おぬしとてそうであろう、ん?」


「ごちゃごちゃうるさい。爺、自分の事だったらなんとかせい!」


しかし爺は落ち着き払ってきっぱりと答えた。


「残念ながら、わしは今、こんな姿じゃ。直接おぬし達に力を貸す事は出来んし、自分で奴を封じ込める事は出来ん」


「じゃぁどうするのよ!」


「おぬしが封じ込めるのじゃ」


爺があたしを指差して言った。


そ~か、あたしか、しかしだ
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