感方恋薬-知られざる月の館-
細面では有るが筋肉はかなり鍛えられている様に感じられる純和風のイケメンで、ちょっと、その手のお店に出れば、その、はかない感じが世の女性のハートをがっちりと鷲掴みにして、一躍お店ナンバーワンの称号を手中に出来る位の良い男であった…のだが、あたしの正直な感想は…


―――で、でた


あたしは心の底で、拡声器を使って大声で叫ぶと、自分でも信じられない位の早業で布団の中に潜り込んだ。


「ふぇ~なんまんだぶなんまんだぶ」


布団を頭から被って両手を合わせて一心不乱にそう唱えながら、その、出た奴が居なくなるのを必死で祈った。
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