感方恋薬-知られざる月の館-
「お待たせしました。でも、待たせるのは
女の特権ですわよ」


宗一郎ちょっと怪訝な表情。


「そうですね、待たせられても、待たせられた甲斐が有る女性ならば、全く気にならない物ですよね」


ふふん、そう来るか。


あたしは再び相手の出鼻をくじこうと大きな態度で宗一郎に臨んだ。


「まぁ、だったらわたしはどうなんでしょう?」


宗一郎ちょっと考える。そしておもむろに答える。


「貴子さんになら待たされても構いませんよ」
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