感方恋薬-知られざる月の館-
「じゃぁ、科学室再建記念に、ぱーっと実験しましょうか」


あたしは嬉しそうな幸を見て自分も何となく幸せな気分に成って居た。


「そうね、何の実験するの?」


あたしは幸にそう尋ねると彼は、とびっきりの笑顔であたしに答えた。


「これです!」


幸が取り出したのは、例の幽霊探知機だった。


あたしはそれを見て、ぺちっと幸の額を叩いてみる。


幸、危ない実験は、当分駄目だぞ。

         ★

「レベル2達成おめでと―――」


あたしの部屋で爺が妙に明るく言ってのけた。


「レベル2?」


「そうじゃ、レベル2じゃ」
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