感方恋薬-知られざる月の館-
むっくりとベッドに起き上がったあたしは睡眠を取ったっていう感じに全然なれず、胸の辺りをぼりぼりと掻き毟りながら、ずるずるとベッドから這い出した。
それと同時に目覚ましのベルが鳴る。
あたしはそれを足で蹴飛ばしてけたたましいベルの音を止めると、のたくたと制服に着替え始めた。
「まぁ…夢落ちが妥当な線だろうな…」
そう自分に言い聞かせると、ぼさぼさ加減全開の頭で一階の洗面所に向かって階段を下りた。
★
「ひーんへい、はくはらや、ふーもはふはー」
そこでは某時代劇の主題歌を訳の分からない節回しで機嫌良く歌いながら、がしゅがしゅと歯を磨いている弟の姿が有った。あたしはそれを見ると、
「まぁだぁ~?」
と、仏頂面でプレッシャーを掛けてみたが
「へ、まははよ」
と、あたしのプレッシャーなどは微塵も感じてないぞと言う雰囲気で、弟は洗面所の鏡でヘアスタイルなど気にしながら一心不乱に歯を磨き続けた。
それと同時に目覚ましのベルが鳴る。
あたしはそれを足で蹴飛ばしてけたたましいベルの音を止めると、のたくたと制服に着替え始めた。
「まぁ…夢落ちが妥当な線だろうな…」
そう自分に言い聞かせると、ぼさぼさ加減全開の頭で一階の洗面所に向かって階段を下りた。
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「ひーんへい、はくはらや、ふーもはふはー」
そこでは某時代劇の主題歌を訳の分からない節回しで機嫌良く歌いながら、がしゅがしゅと歯を磨いている弟の姿が有った。あたしはそれを見ると、
「まぁだぁ~?」
と、仏頂面でプレッシャーを掛けてみたが
「へ、まははよ」
と、あたしのプレッシャーなどは微塵も感じてないぞと言う雰囲気で、弟は洗面所の鏡でヘアスタイルなど気にしながら一心不乱に歯を磨き続けた。