感方恋薬-知られざる月の館-
…という計画は、脆くも崩れ去り、あたしは科学部の部室に無事に拉致されてしまったのであった、ちゃんちゃん。


「あ、れ?」


あたしは部室を見渡してちょっとした異変に気が付いた。


そう、無視しても良い程度の異変だが、殺風景な科学部の部室の中で妙な存在感が、それには有った。


「幸、あれ、どうしたの?」


あたしは、それを指差して幸に訪ねた。


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