夏色の恋【完】
「ふーん」


彼は呟いて窓の外を見た。


それを見て、私も彼の目線の先のキラキラ光るライトを見つめた。


「あのさ…」


今までより少し低い声になった彼は、


「それって楽しいの?」

そう私に問いかけた。


言われた言葉に驚いて窓から目を移すと、彼はじっと私を見ていた。


私はその目を見て、何も言えず黙った。


そんな私に、


「あ、時間だからオレ行くわ」


そう言っていきなり立ち上がると、


「海!そろそろ功希さんたち戻って来るから行くぞ」


未だ兄弟喧嘩している海くんの腕を掴んだ。


「え?マジで!?」


そうやって2人は嵐のように去って行った。



「海のヤツ…」


麻衣は入口の方に目をやると、ブツブツ言いながらハンバーグを口に入れた。
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