夏色の恋【完】
「何…、してんのよ?」

「別に……」

「何、勝手なことしてんの?」


北斗は、そう問い掛ける私を見ようともしないで携帯をじっと見つめて、


「いい歳して恥ずかしくねぇの?」


そう言って、プリクラが貼ってある携帯の裏側を私に見せた。


「そ、それは麻衣が…」

「女子高生じゃあるまいし…」


少しバカにしたように笑う。


「か、返してよっ!」


私は北斗から携帯を取り上げて、


「だから…、これは麻衣が勝手に貼って…。私が貼ったんじゃないからね?」


と念を押すように言った。


「それよりさっきの!」

「それ、もうねぇの?」


勝手に電話に出たことを言おうとした私に、北斗が携帯を指差して言う。


「何?それって?」

「貼ってあるヤツ」

「プリクラ…?あるけど?」


私はカバンの中から、手帳に挟んであるプリクラを取り出して北斗に手渡した。
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