夏色の恋【完】

最後の時間

それから1週間、私は毎日昼間は北斗のバイト先のカフェに行った。


そして窓際の席に座り、働いている北斗の姿を眺めた。


北斗は手があくと私の元へ来て、


『あんま見んなよ』


『仕事やり辛ぇだろ』


『ニヤニヤしてんじゃねぇよ』


と文句を言ったけど、来るなとは言わなかった。


そして私の飲み物が無くなると、誰よりも先に気づいて、


『おかわりお持ちしましょうか?』


と、営業トークで声を掛けてくれる。


そんな北斗がかわいいと思った。
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