夏色の恋【完】
そうやって2人で騒いでいると海くんが起きて来て、


「何してるんスか?」


とポカンと口を開けて私達を見た。



慌てて私と北斗は離れて、


「プロレスごっこ」


と口を揃えて言った。



少し気まずくて、それからすぐにリビングを出て麻衣の部屋に行き出掛ける用意をした。


いつもより丁寧に化粧をして、真っ白なワンピースを着た。



1階に下りると、すでに北斗は玄関で待っていた。


「おまたせ…」

「………」


笑顔で言う私をじっと見て、何も言わず先に出て行く。


「ちょ、ちょっと待ってよ!」


急いでサンダルを履きドアを開けると、北斗が立っていて、


「キレーだな…」


そう、ボソッと呟くと歩き出した。
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