夏色の恋【完】
北斗の言葉に驚いて放心状態になった私は、しばらくその場で立ち尽くしたけど、1人で歩いて行く北斗の姿を見てすぐに追いかけた。



「ね?白い服が好きなの?」

「は?ちげぇよ…」


北斗と並んで歩きながら顔を覗き込んだ。



「だって、さっきキレイって言ったじゃん」

「言ってねぇ」


チラッと私を見たけど、また前を向いて歩く北斗。



「言ったじゃん!ね…、もう一回言ってよ」

「言わねぇ…」

「つまんないの…。あ、そうだ!腕組む?」


私はそう言って北斗の腕に手を回した。


「やめろよ」

「なんで?いいじゃん」

「連行されてるみてぇだろ…」


そう言うと北斗は自分の腕から私の手を解いて、手を繋いだ。



「手、繋ぐのはいいんだ?」

「あ…?まぁな……」

「変な子……」
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