夏色の恋【完】
楽しい時間はあっという間に過ぎて帰る時がきて、麻衣にタクシーを呼んでもらった。



来た時より増えた荷物をタクシーのトランクに詰めて、麻衣にお礼を言った。


そして一緒に見送ってくれる海くんに、


「あんまり悪さしちゃダメだよ」


と言っておいた。



それから北斗に何か言わなきゃと悩んでいると、麻衣と海くんが、


「先に戻るね…」


と家の中に入って行った。



北斗と2人きりになって、やっぱり何を言えばいいのかわからなくて俯くと、いきなり北斗に抱きしめられた。



北斗の体があまりに温かくて心地よくて、でも悲しくて涙が出た。
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