夏色の恋【完】
そんな私に気づいて体を離して顔を見ると、


「また泣いてんのかよ…」


北斗は呆れたように言う。



「北斗のこと…、好きだよ?」


私は北斗を見て、そう言って涙を拭いた。


「だから知ってるって」


北斗は少し笑って言った。




最後まで北斗は北斗のままで、やっぱりかわいくて愛しい……。



私は背伸びして軽いキスをして、


「バイバイ…」


そう言ってタクシーに乗った。



そして北斗の方は見ずに前だけを見て、


「出して下さい…」


と運転手さんに告げた。
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