夏色の恋【完】

大好きな人

車が走り出し行き先を言ってから、私は窓の外をずっと見ていた。



時々バイクの騒音が聞こえて、ライトの列が通り過ぎて行った。



でも、しばらくして静かになり、私の夏休みが終わったんだと寂しくなった。




1時間ほど走り、久しぶりに自分のマンションに帰って来た。


1ヶ月ぶりの自分の部屋……。



部屋に入るとすごく暑くて、すぐにクーラーのスイッチを押した。



ちょうど部屋が涼しくなった頃、チャイムが鳴り長谷川さんが訪ねて来た。



「元気だった?」


1ヶ月ぶりに会う長谷川さんは、日焼けして肌が小麦色になっていたけれど、優しい笑顔は変わっていなかった。
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