夏色の恋【完】
「……さん、お姉さん」

「ん……」


なんとなく呼ばれているような気がして、突然目が覚めた。


目を開けると、そこにはフワフワパーマの男の子の顔があった。



「え…!?」

「ここ、オレのベッドなんスけど?」

「え!?な、何!?なんで!?」


あまりにも近くに顔があって、驚いて体を起こした。



「いってぇ!!」

「いったぁい!!」


私が勢いよく起きすぎてぶつかったらしく、血が出たんじゃないかと思うくらいの痛みだった。


「何すんだよ!!」


顔を上げると、痛そうに額を手で押さえて立っている男の子。


「な、なんでいるのよ…」


そこにいたのは、昨日私に『楽しいの?』と言った北斗だった。
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