夏色の恋【完】
こんなに簡単に言ってしまっているけど、世間的に良くないということはわかっているつもり。



でも、私は優しい彼が好きだし、彼も私を大事にしてくれる。


それだけでいい。


それ以上、望んでなんていない。



あの頃、お店で巻き起こる女同士の争いの日々に疲れていた。


彼はそんな私を、いつも優しく癒やしてくれた。


もしかしたら、そんな生活から逃げ出したかっただけなのかもしれない……。


ただ、楽になりたかっただけなのかもしれない……。


彼と過ごしながら、そんなことをずっと考えていたけれど、答えは見つからないままもう1年たってしまった。
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