夏色の恋【完】
彼が借りてくれているマンションに住んで、彼からもらうお金で生活するようになって1年。


週に1、2度訪ねてくる長谷川さん。


彼と一緒に過ごす時間は、それなりに幸せだと感じる。


優しくて、いつも私を気遣ってくれる。




長谷川さんからのメールは、『長い間寂しい想いをさせてしまうけど、ごめんね』という内容だった。


彼は、子供が夏休みに入ったので2週間ほどハワイで過ごし、実家にも顔を出したりするので、1ヶ月ほど会えないと言っていた。


少し寂しいような気もしたけど、私も“夏休み”だと思うことにした。



「あれ…?里緒菜さん、起きてたんですかぁ?」


麻衣は眠そうに目をこすりながら起き上がった。


「うん……」


私は携帯を閉じた。



私から返信することはない。



電話をかけることもない。



そういう約束だから……。
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