夏色の恋【完】
「バッカじゃないの!?」
こんな年下にからかわれたと思うと、なんだか恥ずかしくなって、私はそれだけ言って黙った。
「何?どういうことだよ?」
笑う北斗と黙り込む私をを見て、海くんは不思議そうな顔をする。
「里緒菜さん、何かあったんですか?」
ちょうど出来上がった料理を運んで来た麻衣が、心配そうな顔をした。
「ううん…。何もないよ」
「里緒菜さんが大きな声出すなんて珍しいから……」
「ホント、なんでもないから」
私は感情をあまり表に出さないタイプで、麻衣もそれを知っている。
だから、大きな声を出した私に驚いたようだったけど、麻衣はそれ以上何も聞いてこなかった。
いつでも冷静な私。
怒ったり、泣いたりなんてしない。
誰の前でもそうしていた。
麻衣の前でも、長谷川さんの前でも……。
自分ではわからないけど、そう演じてるのかもしれない。
誰にも本当の私を知られたくないと、どこかで壁を作っている。
本当の私なんて、自分でもわからないけれど……。
こんな年下にからかわれたと思うと、なんだか恥ずかしくなって、私はそれだけ言って黙った。
「何?どういうことだよ?」
笑う北斗と黙り込む私をを見て、海くんは不思議そうな顔をする。
「里緒菜さん、何かあったんですか?」
ちょうど出来上がった料理を運んで来た麻衣が、心配そうな顔をした。
「ううん…。何もないよ」
「里緒菜さんが大きな声出すなんて珍しいから……」
「ホント、なんでもないから」
私は感情をあまり表に出さないタイプで、麻衣もそれを知っている。
だから、大きな声を出した私に驚いたようだったけど、麻衣はそれ以上何も聞いてこなかった。
いつでも冷静な私。
怒ったり、泣いたりなんてしない。
誰の前でもそうしていた。
麻衣の前でも、長谷川さんの前でも……。
自分ではわからないけど、そう演じてるのかもしれない。
誰にも本当の私を知られたくないと、どこかで壁を作っている。
本当の私なんて、自分でもわからないけれど……。