夏色の恋【完】
「そんなこと思ってないから!バッカじゃないの?」



北斗と喋ると調子がくるう。



何故だかわからないけど、ムキになったり、腹が立ったり、普段の私じゃなくなる。



北斗の言葉がそうさせる……。



腹が立つのは本当だけど“気に障る”とはまた違う。


“気になる”の方が正しい。



北斗の言う言葉が気になる。


初めて会った時に言われた、『それって楽しいの?』という言葉も、未だ気になっている。




ご飯を食べ終わってふと北斗を見ると、窓の外を見ていた。



騒音とライトの列……。


「行かなくていいの?」

「は?」

「いいよ。1人で帰れるし」
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