夏色の恋【完】
私は早くに両親を亡くして、親戚の家で育った。


親戚のおじさん達は優しくしてくれたけど、いつも気を遣って過ごしていた。


中学生の頃から夜遅くまで遊んで、高校生になってからは外泊もするようになった。


なるべく帰らないようにしていた。


自分は家族じゃないからと、どこかでそう思っていた。


親戚のおじさん達はそんなこと言わなかったけど、やっぱり自分だけ違う気がしてた。



1人になるのが嫌で、いつも誰かといるようにした。


誰でもよかった。


寂しくて一緒にいる人が必要だっただけ。


あの頃は寂しい心を守る為、そうしないと生きていけなかった。



本当は誰でもいいわけじゃないってわかってた。
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