夏色の恋【完】

デート

朝から、私はお気に入りのワンピースを着て北斗と出掛けた。



少しお洒落した私に、


「どこか行くんですか?」


と麻衣が聞くので、


「北斗が私と“デート”したいんだって」


と答えた。



北斗は隣でそれを聞いてたけれど、麻衣に気を遣ってか、


『デートじゃねぇ』


なんて言わなかった。



だから外に出てから、


「あんたやっぱりいい子ね」


と、私は言った。


そんな私の言葉にため息をつきながら、


「てか、何?そのヒラヒラ」


北斗は私の服を指差した。


「だってデートでしょ?」


私は笑って歩いた。
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