夏色の恋【完】
こうして明るい時間に男の子と歩くのが久しぶりで、少し楽しかった。


長谷川さんと会う時はいつも夜で、あまり外に出ることもない。


麻衣しか友達がいないのに、男の子の友達なんて今の私にはいない。




「手、繋ぐ?」


実際、デートではないけれど、デートらしいことをしたくなって北斗にそう言ったけど、


「繋がねぇ」


と、却下された。



「いいじゃん!少しくらい」


何度もしつこく言う私に北斗は諦めて、2人で手を繋いで歩いた。


北斗はダルそうにしてたけど、私はなんだか楽しかった。


「恋人同士に見えるかもね」

「見えねぇよ」


そんなことを言いながらも、楽しそうに歩く私を見て、北斗は少し笑った。
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