夏色の恋【完】
映画を観てから、近くにあったレストランでお昼ご飯を食べた。



スパゲティを食べる私を見て北斗は、


「ハンバーグじゃねぇんだ?」


と、からかうように笑って言う。


「ねぇ、彼女とかいないの?」


そんな北斗を無視して質問した。


「あ?…いねぇ」

「なんで?モテるんでしょ?」

「まぁな」

北斗が少し自慢気な顔をする。


そして、


「女って、すぐ怒ったり泣いたり、面倒くせぇだろ」


そう言うとため息をついた。



「それは素直なだけだよ」

「あ?」

「素直だから泣いたりするんだよ…。そんなほうがかわいいじゃん」

「ふーん…。じゃあ、お姉さんは泣かないんだ?素直じゃねぇもんな」

「まぁね」
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