夏色の恋【完】
「これ、量多くない?海くんは?」


目の前の“ピザたち”が減らなくて麻衣に言った。


「あー…。海はお父さん達が行ってすぐ、どっか行っちゃいました」


「そうなんだ…。それって“遊び”?」

「まぁ、遊びなんですかね?たぶん、単車ですよ」

私の変な質問に、ちょっと不思議そうな顔をしたけど、そう答えてくれた。


「そうなんだ!そっか…。それを“遊び”って言うんだ!そっか…」

「なんか変な里緒菜さん…」


1人納得する私を見ながら、麻衣は笑った。



2人で喋りながら食べて笑って、私達は大食い選手権並みにピザを胃袋に収めた。


「麻衣ー。ワイン、もう一本欲しいなぁ」

「白でもいいですかぁ?」

「うんうん。麻衣も一緒に飲も!」


私はほろ酔いで席を立って、ワイングラスを取りに行った。


グラスを持って席に戻る時、ぶつかってカバンを落とした。


「酔ってます?」


そんな私を見て笑いながら、麻衣がカバンを拾ってくれた。


「あー!!これ!」


ひっくり返ったカバンの中身を拾いながら、麻衣が叫ぶ。
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